通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影 |
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第1章 露両漁業基地の幕開け 地元区長も途中退任 |
地元区長も途中退任 P29−P30
しかし竹内與兵衛の区長職も1年弱に過ぎなかった。竹内区長の辞意が明らかになると、佐藤槌之丞(44年区会議員に当選)は、「函館区長論」と題して自治制の施行後わずか10年で区長の交代が3人、しかも現区長もまた途中退任という実情を俎上に載せ、区長の頻繁な交代は「多く其類例を聞かず、此の如きは決して闔区の慶事にあらざるなり」と述べている(明治43年7月31日付「函日」)。明治43年8月1日の区会で竹内区長の病気による辞職が同意された。交渉委員長を務めた田村力三郎議員は、同意にあたって自治体の本旨から「地元住民たる竹内氏を推薦せしに、在職未だ一年ならずして今辞職を見るは誠に遺憾」とする感慨を述べ、同時に、今後新区長を迎えるには「先づ区役所積弊の存する所を廓清し席(区長席)を清めて之を待つ」方針を打ち出さなければといった指摘もしていた(8月4日付同前)。退職認可は8月24日であった。 |
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