通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影 |
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第1章 露両漁業基地の幕開け 区内各紙連合の演説会 |
区内各紙連合の演説会 P22−P23 このような区会の結末に、区内各新聞社がこぞって反発し、区会閉会の翌12日夜宝町池田座で4社連合演説会が開かれた。当時函館には「函館日日新聞」「函館毎日新開」「北海新聞」「北海朝日新聞」の4紙があり、それまでは「各々付属する所あり提携する所あり、一問題起れば一社其攻撃に当り、一社其保護に任ずると言ふが如き奇観を呈し来りたる」(14日付「北海朝日新聞」)状態であったのが、この問題に対しては「宛も符節を合するが如く、四社四紙攻撃の歩調を整へ実に空前の光景を呈し来る、此一事以て如何に区長及び議員の大失態たるかを想像するに足る」(同前)と記され、これほどにまで連帯して各紙が行動したことはなかった。もっとも12日の演説会から区民大会開催に至る過程で「北海新聞」がこの連携から脱落している。最初の演説会および各紙の攻撃に対して区長も区会議員も対応策を取らなかったため、22日には第2回目の演説会が開催された。2回の演説会における演題および演説者は表1−4の通りで、主催者側の発表ではあるが、参会者について、第1回の演説会は1500人余、第2回目は「劇場寸分の余地を残さず空しく場外に佇立するもの中途にて止むを得ず帰宅するもの幾百千人なるを知らず実に前回に倍するの大景気」と報じられている(24日付「北海朝日新聞」)。
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