通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影 |
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第2章 20万都市への飛躍とその現実 第7節 都市の生活と新しい文化 2 大火と都市形成 火防調査委員会の建議 |
火防調査委員会の建議 P722−P723 さて、もうひとつの火防調査機関が大正4年1月28日に商業会議所内に設置されることになった。それは、当日の商業会議所総会において甲野荘平より「近年頻発する大火は函館の繁栄を阻害するもの頗る甚大にて之れに因る直接物質上の損害は固より間接に蒙る損失に至りては實に測り知るべらざるものあり」(大正4年1月29日付「函新」)との理由から火防調査委員会設置の建議が提起され満場一致で可決されたことによる。火防調査委員会の決議事項を要約すれば、一.火災予防に関する件(個人の注意警戒の件、団体的注意警戒の件、法令を以て火災原因物を制限するの件)、一.火災延焼予防に関する件(屋上制限令励行建議の件、建築規則制定建議の件、防火壁建造の件)、一.火災消防に関する件(消防組員救済の件、火災報知機試設の件、義勇消防隊設置の件)、一.水利に関する件(上水道拡張の件、電気喞筒設置の件、谷地頭に水門新設の件)などは、火防設備期成同盟会の建議案の延長上にありながらより詳細に調査していることがうかがえる(大正4年7月21日〜25日付「函新」)。この建議案は区会で大正5年度にガソリンポンプ2台の購入を決議していること(「大正四年区会決議書綴」)、や「消防組員及共遺族を救済し且同組合の消防上勤労ある者を表彰する」(大正4年12年2日付「函新」)ことを目的とする函館消防義会の設立に影響したと思われる。 |
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