通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影 |
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第2章 20万都市への飛躍とその現実 第7節 都市の生活と新しい文化 2 大火と都市形成 大火後の復旧事業 |
大火後の復旧事業 P719 明治40年の大火の復旧事業として、9月10日に区長より「焼失区域道路整理ニ関スル件」の諮問案が区会に提出されている。これに対し9月12日付けの焼失区域道路整理諮問案調査委員長・遠藤吉平名の報告書は、「内海ヨリ外海ニ至ル道路即チ船場町ヨリ蓬莱町ニ通スル二十間道路」の整備を求めている。区長はこの案について被災した学校や病院などの復旧に多額の費用を要することや、「区債ハ区ノ経済ト相伴ハサルニ於テハ許可ナカルベシ。且又起債ヲ為ス場合モ利子ノミヲ償却スルノ財源スラ乏シク」(「明治四十年 函館区会会議録」)と起債に対して利子すら払うことのできない財政事情などにより小規模な道路改修に終始することへの理解を求めている。罹災後の函館について北海道庁側(道庁事務官談)は、「同区(函館)の市区改正に付きては何等の意見なし、殊に同区は従来着々市区改正に努め居りたれば或る部分は既に実行せられしものあり、尤も市街の大部分は道路幅員尚狭隘の傾きあれば道路幅員の拡張は必要なるべし、又中段的の防火線設備等は最も必要なるべし」(明治40年9月8日付「北タイ」)と新たな街区改正や防火線の必要性を指摘している。 |
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