通説編第4巻 第6編 戦後の函館の歩み |
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第1章 敗戦・占領、そして復興へ 北海道軍政部 |
北海道軍政部 P67−P68 北海道では、昭和20年10月からのアメリカ軍による軍政開始前史とでも呼ぶべき段階を経て、21年7月1日、アメリカ第八軍第九軍団北海道(地区)軍政部が札幌に、また函館には軍政チームが設置され、それまでの戦闘部隊による占領にかわって本格的な軍政が開始された。その際、全国の都道府県を4段階に類型化し、それぞれの段階別に軍政部の要員配置基準が定められた。北海道地区軍政部は第1級地域となり、軍政部長官1名(中・大佐級)、補佐官1名(少佐級)、副官1名(中・大尉級)、部隊行政統括官1名(中・大尉級)、経済(天然資源・労働・商工業)担当官2名(少佐級)、民間情報教育担当官1名(中・大尉級)、法律・政治担当官1名(中・大尉級)、公衆衛生担当官1名(中・大尉級)、調達担当官1名 (中・大尉級)という人員を擁する軍政部となった(前掲「北海道軍政(民政)部民間教育課の人事」)。この北海道軍政部について、日本側の史料は次のように記している(前掲 昭和22年2月「長官事務引継書」)。北海道軍政部に於ては本部を札幌に置き、小樽、函館、室蘭等に対しては各駐屯部隊をして事務をとらしめて居る。而してその機構は、法政、接収、医療、厚生、商工、教育、備品の七課に分れ、内政に関し積極的な活動をなしている。特に法政課に於ては、労働運動並に経済、治安問題に重大関心を示し、その調査並に取扱は頗る積極的なるものあり、之に関連する調査或は指示等相当多数に上つて居る現状である。 この史料によれば、北海道軍政部は法政課以下の7課に分かれており、「内政」に関する積極的な活動をおこなっていたが、その中心は法政課であった。同課は、とりわけ労働運動と経済・治安問題に強い関心を示し、この点に関するアメリカ側の日本側に対する調査や指示は「相当多数」に上っていた。また、謀略機関としてのCICについては、「CICに於ては本部を札幌に置き、稚内、旭川、北見、釧路、室蘭、函館等に隊員を分屯せしめ、主としてソ連関係の情報蒐集に重点を置き、之が為、ソ連占領地区よりの引揚者の取調或は又白系露人の行動の内査等に、又一方道内共産主義者の動向にも極めて積極的な関心を払ひ、之に関連する警察に対する指示も毎月一〇〇件を超ゆる現状である」と述べている(同前)。 |
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