通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影


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第2章 20万都市への飛躍とその現実

第6節 民衆に浸透する教育

1 大正デモクラシーと教育

1 初等教育

増大する就学児童数

続く二部教授と授業料徴収

大正新教育の実践

教員研修の組織化

二部教授の調査研究と実施

二部教授への批判

二部教授廃止建言書

建言書と区会

尋常夜学校の新設

児童転送の問題

教員の実況

教員の実況   P650−P651

 義務教育の量的普及と質的充実に不可欠な要因に教員の充足と資質の向上の問題がある。その点から函館の教員の実況を見ると、そこにも東北北海道を通じて有数の都市として、全国的な傾向に通ずる特質が指摘できる。教員の資格別構成を見ると、全国平均を上回る有資格者の確保がなされていたことが知られる(表2−147)。
 また全国の教員の男女別構成は、年々女性教員の比率の増大を示しているが、函館の場合には、全国の比率を上回る女性教員の実況を示しており、地元に高等女学校を有していて、その補習科を修了し、教員資格を得た者が、教職に就いたためと推測される。あるいは、道内道外の他の都市の師範学校や高等女学校の卒業者の有資格者が、集まり易い大都市であったことも女性教員の比率を高めた要因ではないかと推測される。ともあれ、有資格教員の比率の高いことと、女性教員の比率の高いことが函館の初等教育の特色の1つとなっていることに注目する必要がある(表2−148)。
表2−147 小学校教員の資格別比率
年度
有資格(A)
無資格(B)
計(C)
A/C×100
B/C×100
大正2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
184
181
197
198
203
202
268
243
205
293
286
321
329
347
4
4
3
4
13
11
19
24
15
11
23
24
34
33
188
185
200
202
216
213
287
267
300
304
309
345
363
380
97.9
97.8
98.5
98.0
94.0
94.8
93.4
91.0
95.0
96.4
92.6
93.0
90.6
91.3
2.1
2.2
1.5
2.0
6.0
5.2
6.6
9.0
5.0
3.6
7.4
7.0
9.4
8.7
注)『函館区(市)事務報告』による。
  表2−148 小学校教員の男女別比率
 
函館
全国
年度

大正2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15

62.2
60.5
64.5
61.9
57.9
56.3
62.4
55.1
58.3
60.7
59.5
58.3
58.7
57.4

37.8
39.5
35.5
38.1
42.1
43.7
37.6
44.9
41.7
39.3
40.5
41.7
41.3
42.6



71.9




67.5




67.0



28.1




32.5




33.0
注)1『函館区(市)事務報』。
2『文部省年報』および『学校の歴史第2巻』による。
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