通説編第4巻 第6編 戦後の函館の歩み


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第1章 敗戦・占領、そして復興へ
第4節 敗戦後の社会問題と労働運動
2 労働運動の展開

暗い時代からの解放

労働組合の結成と函館地区労働組合

戦後初のメーデーと食糧メーデー

占領政策の変化

レッド・パージと朝鮮戦争の勃発

労働戦線の再結集と労働争議

暗い時代からの解放   P225

 第2次世界大戦以前、函館は北海道においてもっとも早い時期から社会問題に直面して、その解決にさまざまな運動が起きていた地域であった。それは函館がそれだけ都市化の進展と近代的な労働者の成長がみられた地域だったからである。
 しかし、戦前の暗い時代、とくに、「満州事変」以後の「十五年戦争」期において、社会・労働問題の解決には困難な多くの壁に直面せざるを得なかった(『函館市史』通説編第2巻・第3巻)。第2次世界大戦の敗戦とともに軍国主義から解放された人びとの表情は経済的には苦しかったが、アメリカを軸とする占領軍の圧力による日本の旧国家体制の解体と一連の民主化措置が日本社会に新しい息吹をもたらし始めるとともに明るさが戻ってきた。また日本社会の内部からも大衆運動が次第に高揚をみせるようになった。
 北海道では、昭和20(1945)年10月7日に札幌・苗穂刑務所に拘置されていた獄中の「政治犯」が釈放され、戦前、非合法であった社会主義政党の再建も進み、敗戦直後から有志による活動が開始され、昭和20年末には組織活動が展開されるようになった。同年11月5日には、函館で武内清、西館仁、津田伊平らによって共産党機関誌『赤旗』再刊第1号が配布された(ほっかい新報社史料刊行委員会編『北海道・進歩と革新の運動史年表』)。12月24日新川小学校でおこなわれた共産党徳田書記長の演説会には1000余名の聴衆があったが、野次や君が代の斉唱がおこるなどして、演説は中止に追い込まれた(昭和20年12月25日付け「道新」)。そして、12月2日には社会党函館支部が結成された(第1章第2節参照)。
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