通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影 |
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第2章 20万都市への飛躍とその現実 第5節 躍進する北洋漁業と基地の発展 4 母船式鮭鱒漁業の展開 平出漁業と母船式鮭鱒漁業 |
平出漁業と母船式鮭鱒漁業 P606−P607 母船式鮭鱒漁業は、缶詰その他の加工品を製造する設備を持った大型汽船(母船)と付属漁船(独航船)が一体になり、独航船が漁獲した鮭鱒を母船で缶詰、あるいは塩蔵品に生産する事業のことである。創業当初は、これを「沖取漁業」と呼んでいた。操業規模が拡大し独航船の数が増加すると、母船は、漁獲物の製造加工に加えて、独航船に対する物資の補給や全体の操業を統括する機能を持つようになるが、母船と独航船が一体となる集団操業の形態を母船式漁業というのである。
翌3年再起を因って出漁の準備にかかろうとしたが、前述のC・B商会の資金援助が得られず、平出たちの試みは1年で挫折した。しかし、この経験はこの後沖取漁業に進出を企てる漁業者には多大の刺激と教訓を与えた。漁法では、建網の失敗を転機に流網の導入が検討されるようになり、流網技術の開発が母船式鮭鱒漁業の本格的な発展を可能にしたのである。 |
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