通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影 |
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第2章 20万都市への飛躍とその現実 第4節 戦間期の諸産業 1 工業界の概況 市民所得に占める工業の地位 |
市民所得に占める工業の地位 P441−P442
また第1種法人所得のうちには工業会社も含まれるが、その内容は不明であるので、とりあえず個人業主所得に占める工業の地位をみると、8.2%であって、商業の81%と牧養及採取業(漁業であるが、露領漁業を含まない)の10%に続いている。前章の大正6年の個人所得額では、工業は8万円であったのが、大正14年には35万円と4倍強の大きさとなったのである。 そしてこの頃の個人所得税法では、年所得額400円以下は免税者とされるから、多数存在する零細な工業はこの所得額には算入されていないし、また後述する主要工業会社の従業者の俸給・給料などで、勤労所得に算入されているものもあると思われる。そして法人工業企業の所得も合計した全市内工業生産所得額はもちろん高くなると推論されるが、表2−59の工業個人業所得でみる限りは、商業の1割強にすぎぬのである。 また、しばしば函館の特徴とされる貸地・貸家・貸金・貸田畑・配当などによる財産所得の高さは表2−59によって明らかであるし、俸給生活者の増加は勤労所得の大きさが示している。なお、露領漁業の資本と労働力が生み出した所得の大部分はここには含まれていない。 |
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