通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影


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第3章 戦時体制下の函館
第2節 戦時体制下の産業・経済
1 経済統制下の函館経済
1 戦時下の商業機関

商工会議所の改組問題

北海道内の実情

商工経済会の設立事情

北海道の商工経済会

定款と組織

道商工経済会函館支部

道商工経済会の廃止

定款と組織   P1132-P1133

 この時制定された北海道商工経済会定款は、第1章 総則(第1〜6条)、第2章 会員(第7〜9条)、第3章 事業(第10条)、第4章 役員(第11〜18条)、第5章 顧問(第19〜23条)、第6章 会議(第24〜46条)、第7草 会計(第47〜57条)、第8章 事務局(第58〜61条、第9章 支部及出張所(第62〜68条)、第10章 解散及精算(第69〜73条)の全73条から構成されており、同会の地区は「北海道庁ノ区域」(第3条)とされ、また、事務所は札幌市に置いた(第4条)。このように、北海道商工経済会の管轄は全道一円とあまりにも広大であり、この点をカバーするために、旧商工会議所の存在した次の7市に支部を置いた(第62、63条)。その区域は次のようになっていた。

函館支部(渡島支庁、桧山支庁および函館市の区域)、小樽支部(後志支庁および小樽市の区域)、旭川支部(上川支庁、宗谷支庁および旭川市の区域)、室蘭支部(胆振支庁および室蘭市の区域)、釧路支部(釧路国支庁、根室支庁および釧路市の区域)、帯広支部(十勝支庁および帯広市の区域)、北見支部(網走支庁および北見市の区域)これらの各支部には、支部長と参与が置かれた(第64条)。

 商工経済会法の施行により、全道の商工会議所と商工会は解散し、北海道商工経済会が新たに置かれることとなったが、前述のように同会の事務局は、札幌市の旧札幌商工会議所内に置かれ、総務部、業務部、調査部の3部が設けられ、その会員数は1万1000余人に達した。9月10日、札幌市の札幌グランドホテルで会頭選考委員会が開かれ、衆議院議員の山本厚三が選ばれた。
 そして10月2日、北海道商工経済会の役員が決定したが、山本会頭以下、常務理事は鈴木義雄、理事には新田啓二郎以下27人が選ばれている。この中で、函館の関係者としては、地方部長兼函館支部長に小川弥四郎、一般の理事として宇井函館税関長、三村函館財務局長などの名前がみえる。
 なお、道商工経済会の地方組織は、その全道的活動のためには発足時の7支部では不十分であり、昭和19年8月、新たに桧山、後志、空知、日高、宗谷、留萌、根室の7支庁に出張所が置かれ、所長は支庁の産業課長が兼任した(前掲『札幌商工会議所八十年史』)。

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