通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影 |
|
第3章 戦時体制下の函館 商工経済会の設立事情 |
商工経済会の設立事情 P1129−P1130 このような背景のもとに、昭和18年3月11日、「国民経済ノ総力ヲ最モ有効ニ発揮セシムル為国策ニ協力シ、産業経済ノ円滑ナル連絡ヲ図ルト共ニ其ノ改善向上ニ務ムルコトヲ目的」とする商工経済会法が法律第52号をもって公布され、同年6月1日から施行された。これにともなって、従来の商工会議所法は廃止されることになった。同法の公布により、全国の商工会議所および商工会の「戦時体制への再編は実現」(前掲『商工会九十二年史』)されたのであるが、この商工経済会法は、次のような内容であった。 (1)商工経済会法(昭和18年3月11日、法律第52号)、(2)商工経済会法施行期日に関する件(昭和18年5月28日、勅令第46号)、(3)商工経済会法施行令(昭和18年5月28日、勅令第465号)、(4)商工経済会法施行規則(昭和18年5月29日、商工省令第26号)。この内、(1)の商工経済会法についてみると、第1条で「商工経済会ハ国民経済ノ総力ヲ最モ有効ニ発揮セシムル為国策ニ協力シ産業経済ノ円滑ナル連絡ヲ図ルト共ニ其ノ改善向上ニ努ムルコトヲ目的トス」とその目的が述べられている。なお、同法における「産業経済」とは、その該当する地区内で「営業所、工場又ハ事業場ヲ有シ商業、交易業、工業、鉱業、金融業、電気事業、交通運輸又ハ土木建築業ヲ営ム者」(第5条)を指していた。第3条では、「商工経済会ノ地区ハ道府県ノ区域ニ依ル」とされ、前記の目的を達成するために、第4条では、(1)当該地区ニ於ケル産業経済ニ関スル統制ニ対スル協力、(2)当該地区内ニ於ケル産業経済ノ運営又ハ整備ニ関スル連絡、(3)当該地区内ニ於ケル産業経済ノ改善向上ニ関スル施設、(4)産業経済ニ関スル調査及研究、(5)前各号ニ掲グルモノノ外商工経済会ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業、などを行なうことになっていた。 また、第12条によれば、商工経済会の役員として、会頭1人、理事若干人、監事若干人、評議員若干人を置くことが定められていたが、この他に、「定款ノ定ムル所ニ依リ副会頭二人以内又ハ理事長一人ヲ置クコト」ができた。これら役員の任期は、会頭3年、副会頭3年、理事長3年、理事3年、監事2年、評議員2年であった(第15条)。 さらに商工経済会は、「其ノ地区内ノ必要ナル地ニ支部ヲ置キ其ノ事業ノ一部ヲ分掌セシムルコトヲ得」(第28条)とあり、支部には支部長の外、必要に応じて参与を置くことができた。支部長には、商工経済会の監事以外の役員の中から地方長官の承認を受け、会頭が任命した(第29条)。 |
「函館市史」トップ(総目次) | 通説編第3巻第5編目次 | 前へ | 次へ |