通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影 |
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第2章 20万都市への飛躍とその現実 第8節 諸外国との関係 最後の帝政領事とロシア革命の勃発 |
最後の帝政領事とロシア革命の勃発 P1035−P1036
こうして函館に留まっていたレベデフも領事館を離れる時がきた。大正14年日ソ基本条約が締結される運びになると、もはや居場所がなくなったのである。日本政府から避難民の証明書を発給され、家具や食器を競売にかけ、一家は13年間住み慣れた函館を離れた。行き先はメキシコであった。見送りにはハリストス正教会の神父や市内のロシア人漁業家などの顔があったが、市民は薄情だと新聞が書いている(大正14年2月9日「函新」、同年2月17日「函日」)。すでにソ連諸機関との取引も行われていたから、微妙な配慮もあったのかもしれない。
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