通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影 |
|
第2章 20万都市への飛躍とその現実 第6節 民衆に浸透する教育 2 昭和初期の教育 2 中等学校 庁立函館商業補習学校の廃止 |
庁立函館商業補習学校の廃止 P680−P681 明治36年以降庁立函館商業学校に併設されてきた庁立函館商業補習学校は、市において、実業補習学校の統一を企画し在来の数校を併合して函館商工実修学校を設置することになったため、廃止の件が昭和3年7月2日付文部大臣あて認可申請され、10月8日認可されている。なお、同校の廃止認可に至る過程で、文部省側からは、函館商工実修学校の位置が全市の生徒を収容するに支障ないかどうか、設備は相当に充実しているか、庁立商業補習学校の在学生徒は、全部函館商工実習学校に入学したかどうかなどの点について照会があり、それらの点の配慮がなされている旨、道庁の回答があって、前述のとおり認可が行われたのである(国立公文書館所蔵「自大正十三年三月至昭十八年三月実業補習学校設置廃止認可」第1冊)。ほかにもこの時期には、明治期以降の長い歴史を有し、実業教育の先駆けをなしてきた庁立函館商船学校が廃止された(10年3月12日文部省告示第59号)。また同じ時期に、庁立函館水産学校が「水産学校規程ニヨリ左記実業学校ヲ設置シ昭和十年四月ヨリ開校ノ件昭和十年三月十二日認可セリ」として(文部省告示第60号)、開校している。位置は北海道上磯郡上磯町、設立者は北海道庁、修業年限は3年、入学資格は尋常小学校卒業程度であった。 私立では、昭和7年3月28日付け外山ハツ外1名より申請の「函館大妻女子高等技芸学校設立認可申請」に対し、同年4月28日認可した旨告示(文部省告示第126号)されている。同校は、実業学校令並びに職業学校規程に拠り設置されたもので、位置は函館市高砂町、設立者は外山ハツ外1名、入学資格は高等小学校卒業程度、修業年限は2年であった。なお、同校はそれまで各種学校として経営されてきていた大妻技芸学校を廃止の上、設置されたものである(国立公文書館所蔵「自大正十四年七月至十九年四月職業学校設置廃止認可」第3冊)。 |
「函館市史」トップ(総目次) | 通説編第3巻第5編目次 | 前へ | 次へ |