通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影


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第3章 戦時体制下の函館
第2節 戦時体制下の産業・経済
3 戦時下の港湾産業
1 官庁の対応と統制令

開戦と運輸事情

青函連絡船

函館駅

函館駅   P1169

 昭和8年12月1日に実施された道内3等寝台車は、昭和16年7月廃止された。昭和17年、「戦時陸運非常体制」が布かれ、遊楽旅行抑制、年末年始の旅客荷物の取扱制限、学割の停止、携帯手廻品の持込制限、手小荷物の一部受託停止、年末年始の船便指定が行われた。18年9月、江差線、福山線、瀬棚線等支線から2等客車撤退、19年4月、更に次のような旅客制限が行われた。

イ、乗車船区間片道100キロメートルを超える乗車券の発売制限(証明書必要)
ロ、乗車船区間片道100キロメートル未満の乗車券の発売制限(発売枚数の割当制)
ハ、2等定期乗車券の発行停止
ニ、乗車船区間片道2キロメートル以内の定期乗車券の発売停止
ホ、普通定期乗車券発売については一定の制限を制定
ヘ、回数乗車券の発売停止
ト、普通乗車券に対する等級変更、乗越、方向変更及び経路変更の取扱並びに定期乗車券に対する乗換及び区間変更の取扱を停止
チ、特急、普通急行、1等車、寝台車、食堂車の全廃
リ、長距離重要旅客の為に急行列車に準ずる(準急行)を設定
ヌ、手廻品の持込制限

 乗車券の発行制限は、当時函館駅2200枚、派出所(交通公社)380枚であったが、20年5月更に減少した(『函館駅50年の歩み』)。
 鉄道職員は原則として男子に限られていたが、男子職員不足のため、昭和19年、女子職員が大量雇用された。駅接客従事員の大半は女子職員に振りかえられ、更に運転部門にまで女性が進出した。昭和19年9月11日、鉄道奉公会函館駅分会女子班結成のとき班員253名、昭和20年3月においては、250名であった。
 昭和20年3月31日、国家総動員法に基づいて雇員以下の全職員が現職のまま徴用されたが、当時女子職員で副鉄道官補に任官していたものは4名あった(同前)
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