通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影


「函館市史」トップ(総目次)

第2章 20万都市への飛躍とその現実

第4節 戦間期の諸産業

6 倉庫業の変貌

1 営業倉庫

倉庫の定義

営業倉庫の概略

倉庫の定義   P533

 昭和10年、倉庫業法が制定されたが、この時、所管官庁の商工省内で、冷蔵倉庫は一体倉庫業かどうかが、真面目に議論されたという(日本港湾協会『倉庫事業』)。商法上は、倉庫業に間違いないということに決着がついた。これ以来、営業倉庫を、普通倉庫と特殊倉庫とにわけ、特殊倉庫の主たるものに冷蔵倉庫をあてることが、一般的となった。現代では、もう1つ、水面倉庫(原木を水面で保管する倉庫)を加えて、普通、冷蔵、水面の3種類を営業倉庫としている。
 普通倉庫は1類倉庫(危険物を除く一般貨物を保管)、2類倉庫(同、但し防火設備を有せず)、3類倉庫(同、防火、除湿、遮熱性能を有せず)、野積倉庫(製材、瓦等を野積)、貯蔵槽倉庫(サイロ、タンク)、危険品倉庫(石油、化学薬品等危険物を保管) に6分類している。
 野積以下は、昭和10年、倉庫業法制定当時、置場(ストック・ポイント)として認識された程度であり、木材、石油、輸入小麦などの工業用原材料、燃料の輸入によって、始めて、倉庫として認識される。つまり、戦後のことであって、昭和31年の倉庫業法改正に伴って、以上のように統一的に理解されるようになった。
 しかし、事実としては、埠頭業務の一環として存在し、「貯留場」として認識されていた。それは貯炭場、貯木場(水面)野積場を含んでいる。その外に、石油などのタンクもあった。
「函館市史」トップ(総目次) | 通説編第3巻第5編目次 | 前へ | 次へ