通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影


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第2章 20万都市への飛躍とその現実
第2節 水電事業市営化問題
4 斉藤市長と水電問題

市長の交代

和解へ

和解条件と契約内容

*1 誤り 正しくは5月28日

市長の交代   P274

 12年12月26日、坂本市長は第2期目の任期満了を迎えた。財政逼迫の中、大火災害の復興に奔走し、財政危機であるからこそ電気事業を買収したいと邁進した市長は、報償契約訴訟の第1審判決(前述の復興座談会で第1審判決が出るまで買収交渉は休止と声明)を見ることなく函館を離れたのである。
 後任市長の選考が始まった。地元市長を推す声が起こり、16回目の選考委員会でようやく斎藤与一郎市立柏野病院長の推薦を決定、翌13年6月28日(*1)の市長選挙で、地元選出市長が誕生した。函館市は6か月の苦悩の結果、医者としての人物評価は抜きん出ていたが、政治的には全く白紙ともいえる斎藤与一郎の手に市政を委ねたのである。
 第6代目市長に斉藤与一郎が就任した。これまでの複雑な経緯もあって市会では全員一致とはならなかったが、市長選考委員長であり市会議長であった登坂良作が、帝国電力との抗争にも強硬姿勢とならずに折り合いを主張していたこともあって、帝国電力との関係も新しい展開への芽が見え始めることとなった。
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