函湾全景 秋
内容説明:
軸1幅 絹本 着彩 沢田雪渓/画 本図もまた澤田雪渓自筆の絹本着彩図であり、同年春の作品とほぼ同じ構図で描かれたものである。図の大きさは縦57㎝、横92㎝の軸装である。「函湾全景、時在癸未秋日写、雪渓写(印)(印)」とあり、1883(明治16)年秋の作品である。「函湾全景 春」の図と比較してみると、函館山の山容を変え、たなびく雲も写実的なものとし、市街地の家並が一段と立体的で変化のある描写とした。また湾内に浮かぶ帆船の配置を変え、船数も増加しているし、弁天岬台場もより大きく描いている。さらに津軽・下北半島の遠望が先の図よりやや大きく明瞭に描かれているのが分かる。結局、春の作品に比べて秋の作品のほうが一段と精密で写実的な描写となったといえよう。(高木崇世芝/文)
西暦:
1883年
和暦:
明治16年
サイズ:
57×92cm(本紙のみ)
分類:
地図・図面
資料番号:
be000439-0001
「函湾全景 秋」のその他の画像(全2枚)