函湾全景 春
内容説明:
額入1面 絹本 墨画淡彩 澤田雪渓/画 本図は澤田雪渓自筆の絹本着彩図である。地図というより絵画というべきであろう。函館山を中心にその周辺を空から見下ろしたようないわゆる鳥瞰図である。海中に浮かぶ函館山には雲がたなびき、はるか遠くには津軽・下北半島も望まれる。港湾には多くの帆船があり、市街地は家並で埋め尽くされて当時の繁栄を物語り、弁天岬台場もくっきりと描かれている。図の大きさは縦57㎝、横95㎝の額入装である。「函湾全景、時在癸未春日、応需写於、凍香山房、雪渓写(印)(印)」とあって、雪渓が明治16年(1883)春に描いたものであることが判明する。澤田雪渓は、明治12年から14年にかけて開拓使の画工として札幌本庁で勤務、開拓使が廃止された同15年、今度は函館県勧業課に勤務して作品を作った。主な作品に『函館港真景』(銅版、明治17年)、『北海道渡島国鶉山道開鑿真景』(石版、明治19年)があり、アイヌ絵も数多く描いている。(高木崇世芝/文)
西暦:
1883年
和暦:
明治16年
サイズ:
57×95cm(本紙のみ)
分類:
地図・図面
資料番号:
be000148-0001
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