澁民村 宝徳寺 わが庭の白き躑躅を 薄月の夜に 折りゆきしことな忘れそ 故郷の寺の御廊に 踏みにける 小櫛の蝶を夢にみしかな 故郷の谷の谺に今も猶 こもりてあらん母が梭の音 殘りたる三升の米とりいでて その三粒を仏前に置く 入日しぬ秋の御寺の扉にぞよる 餓えたる顔の三人四人に 啄木
澁民村 宝徳寺 わが庭の白き躑躅を 薄月の夜に 折りゆきしことな忘れそ 故郷の寺の御廊に 踏みにける 小櫛の蝶を夢にみしかな 故郷の谷の谺に今も猶 こもりてあらん母が梭の音 殘りたる三升の米とりいでて その三粒を仏前に置く 入日しぬ秋の御寺の扉にぞよる 餓えたる顔の三人四人に 啄木
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