内容説明：

原本　和装　1鋪　［文久二戌年六月中実地ニ於テ書ス　徳川幕府奉行所ノ支配函館蝦夷地七諸侯陣屋留主居屋敷アリ　函館戸数〓六千八百余アリ　人口ハ諸侯種々入込ニ付不詳　文久二戌年七月十五日認終ル］　「文久二年七月・城碕誠輔」と記されるので、文久2年（1862）の写図である。箱館山山麓に形成されている市街地を描き、外国貿易のための外国船や北前船で賑わう湾内を描写している。市街地には「御奉行屋敷、弁天崎御台場、立待御台場、大筒場、五稜郭、運上屋、異人見張所」のほか、ヲロシヤ、アメリカ、イキリスの領事館、松前、仙台、庄内、秋田、南部、津軽などの屋敷や陣屋も見え、当時の箱館の様子が具体的に理解できる絵図である。本図に「馬場脩蔵」の蔵書印があり、考古学者として知られた馬場脩の蔵書の一つである。（高木崇世芝／文）