通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影


「函館市史」トップ(総目次)

第3章 戦時体制下の函館
第4節 戦時体制下の教育
2 中学校の教育

中学校教育の全国的動向

函館市立中学校の設置

函館高等計理学校の設立

函館市立工業学校の設置

函館市立高等実修女学校の設置

函館市立商業学校の設置

函館市立高等実修女学校の校名変更

私立学校の設置

学徒の勤労動員

学校転換

函館市立高等実修女学校の校名変更   P1204−P1205

 昭和16年に設置された函館市立高等実修女学校は、同19年2月、函館女子商業学校への名称変更および学科の一部(技芸科)の廃止並びに第2本科(夜間において授業を行う課程)の設置を文部大臣から認可された。戦時の要請に対応する措置であった。
 函館高等実修女学校は、既述のとおり昭和16年3月、旧「実業学校令」および旧「二種以上ノ実業学校ノ学科ヲ置ク学校ニ関スル規程」により設置されたが、同18年中等学校令および実業学校規程の制定に伴い、学則を変更し、引き続き商業科および技芸科の2科を置いたのである。ところが、同年10月12日閣議決定をみた「教育ニ関スル戦時非常措置方策」に基づき、技芸科を商業科に転換し、商業科のみを募集する女子商業学校とし、「男子ニ代ルベキ有能且多数ノ女子実務者ヲ養成シ以テ戦時勤労対策ノ一環トシテ国家的要請ニ応ヘントスル」ことになったのである。この時、同時に第2本科が設置されているが、これは、「現下重大時局ニ於テ女子商業教育ノ拡充、強化ヲ図ルコトハ極メテ緊要」であるから、「組織並ニ施設ヲ拡大整備スルト共ニ教育内容ヲ充実シテ有用ナル活人物ヲ多数育成シテ之ヲ実社会ニ送」り、「国家社会ノ急且大ナル要請ニ応」えるためのものであり、さらに昼間勤労女子青年のために「中等学校進学ヘノ隘路ヲ打開スル」ことを目指するものであった。
 なお、昭和16年に、青年学校令により設置された函館実修女学校昼間部を廃止して、函館市立高等実修女学校が設置された際に、公立青年学校函館実修女学校の夜間部は、毎夜授業の修業年限3年制として当分存置とされてきたが、この時に、第2本科に組織変更する形で廃止されることになった(国立公文書館所蔵、文部省文書課関係文書「自昭一六年三月至昭一九年二月商業学校設置廃止認可」第5冊)。

「函館市史」トップ(総目次) | 通説編第3巻第5編目次 | 前へ | 次へ