通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影


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第3章 戦時体制下の函館
第2節 戦時体制下の産業・経済
1 経済統制下の函館経済
1 戦時下の商業機関

商工会議所の改組問題

北海道内の実情

商工経済会の設立事情

北海道の商工経済会

定款と組織

道商工経済会函館支部

道商工経済会の廃止

道商工経済会函館支部   P1133−P1134

 ところで函館商工会議所が解散したのは昭和18年9月のことであったが(第2章第3節を参照)、翌10月、同会議所は北海道商工経済会函館支部として新たな活動を開始することとなる。前述のように、最初の支部長は小川弥四郎、事務長には杉村大造が就任したが、翌19年3月、小川支部長が辞任し、同4月から大島寅吉が2代支部長となった。同20年3月には、杉村事務長が辞任し、4月より平塚栄司事務長が就任した。
 函館支部の具体的な活動に関してはあまり明らかではない。しかし同19年4月から12月にかけては、専ら函館地方の駐屯部隊の物資調達の斡旋などを行なっていた(『函館商工会議所六十年史』)。同19年11月25日発行の『北海道商工経済会報』改題第6号に、「函館支部便り」が掲載されているが、そこでは、次のような諸事業が紹介されている。

一、勤労管理懇談会(十月例会) 十月十八日午後二時より支部会議室に於て開催、特に北海道庁吉成労政課長の「本道に於ける労務行政並に之に関連せる労務事項」に付き講話を聴取す。
二、特許権等懇談会 十月二十六日午後二時より支部会議室に開催、技術員参技官補渋江光友氏、同属加藤善治氏臨席の下に関係者約三十名出席創意工夫に関して真摯なる質疑応答があった。
三、渡島、桧山両配給統制組合協力会に助成金交付、上記両協力会の事業を賛し各二百円宛助成金を交付した。

 なお、同年10月12日付で寺崎正巳(日本銀行函館支店長)、小川弥四郎(東邦水産社長)、岡田渡(三井船舶函館支店長)、今井仙治(日本郵船函館支店長)、外山源吾(日魯漁業常務)、渡辺二郎(函館船渠専務)、山崎松次郎(函館市議会議長)、西出孫左衛門(北海食品興業社長)の以上8名が函館支部の参与に委嘱された。
 そして、同月の支部参与懇談会では、次の諸件が議題となっている。

合成樹脂工場に関する件、果糖(菊芋)工場に関する件、煙草工場設置に関する件、ベニヤ工場合併熊石村に設置に関する件、海軍指定罐詰工場を熊石方面に設置に関する件、松前町並に福島町に拓銀出張所開設実現に関する件

 これらの議題から、日本海側の熊石村方面などに各種工場を移設しようとする動きのあったことがわかる。なお、道内他支部の活動状況をみてみると、北見支部では製炭山慰問増産督励、帯広支部では第2回業界代表連絡会議の開催と退蔵物資活用相談所の設置、釧路支部では商工経済事情協議会の開催、などを行なっている(同上改題第7号、昭和19年12月25日発行)。
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