通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影


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第2章 20万都市への飛躍とその現実

第4節 戦間期の諸産業
3 工業化の進展

1 工業界の概況

工場数、工業会社数

職工数

電力の需要・供給状況

生産額(品目別、業種別)

物価の動向

市民所得に占める工業の地位

生産額(品目別、業種別)   P435−P438

表2−55 水産製造業者数および製造額
年次
水産製造業者
製遣物価額
業主
被用者

大正10
11
12
13
14
昭和1
2
3
4
5

125
137
136
92
103
161
165
173
178
210

1,082
1,490
1,577
1,800
1,840
1,550
1,010
827
826
791

1,207
1,627
1,713
1,892
1,943
1,711
1,175
1,000
1,004
1,001

365,666
525,078
1,690,854
1,162,564
2,062,404
1,137,481
2,669,123
1,355,008
3,497,639
4,047,249
各年『市勢要覧』および『函館市統計書』より作成。
 この期における5人以上の工場の生産額は表2−52(→工場数、工業会社数)で示したが、大正末期から昭和2年にかけて上昇して、1500万円を越え、昭和4年には2500万円に達している。これに5人以下の工場の400万円に近い生産額が加わるのである。また一部分の重複があると思われる水産製造業では、百数十人の業主と千有余人の被用者による生産額(表2−55)があり、昭和5年には400万円に達している。昭和4年の工場生産額は昭和3年より994万円の増加であるが、これは金属工業、機械器具工業、製材・木製品工業の生産額増加の大きいこと、その他の業種もすべて増加したことによる。そして総生産額に占める工産品の比重は少し低下して80%、水産品が10数%となった。
 この期における生産額の内容については、大正10年から14年までは主要工産品(造船・鉄工業を除く)の生産額を『北海道庁統計書』により、昭和元年から昭和5年までは『函館市統計書』により、業種別(営業別)生産額を工場数、職工数と合わせて、それぞれ表2−56、57で示した。また表2−58で『商工会議所年報』より作成した大正10年から昭和5年までの工場表を掲げた。前記3者の統計数字については、一致せず混乱を残したまま引用してある。
表2−56 主要エ産品の生産額
 
大正10年
大正11年
大正12年
大正13年
大正14年
工場数
職工数
生産額
工場数
職工数
生産額
工場数
職工数
生産額
工場数
職工数
生産額
工場数
職工数
生産額

木製品
醸造物
味噌
清涼飲料
菓子
製粉
肥料
撚糸
綿糸網
製綿
製草
皮製革品
藁工品
護謨製品

218
23
14
6
34
11
13
1
3
13
8
79
72
1

906

18
53
281
20
295
103
67
143
33
113

45

2,202,443
819,700
222,950
74,754
773,437
100,914
1,209,719
589,410
162,596
262,339
184,863
298,375
46,750
28,045
178

16
7
26
11
6
1
2
31
9
53
73
1

774

41
49
247
29
91
124
130
70
35
108
286
54

1,705,815
982,434
179,509
87,740
936,122
99,713
1,171,334
828,325
337,173
40,721
250,881
167,101
48,050
98,443

176

16
6
14
3
4
5
2
1
8
54
71
1

681

32
42
247
18
75
116
160
67
27
96
285
97

1,984,596
1,298,650
130,191
106,122
1,103,176
28,961
1,278,801
771,338
312,282
144,039
153,946
143,131
44,344
192,529

195

16
4
13
2
12
1
2
1
7
48
63
2

704

41
32
267
14
86
139
150
89
20
88
178
151

2,079,528
1,055,969
152,228
63,858
1,297,185
32,560
1,137,988
710,422
311,727
323,255
157,816
146,280
104,800
500,338

262

17
7
15
2
1
1
2
1
7
98
69
2

1,139

42
54
282
14
5
126
115
86
24
280
240
180

2,624,880
1,058,115
161,400
89,448
1,847,959
45,300
303,372
904,459
345,102
457,422
160,997
192,050
143,880
640,357
各年『北海道庁統計書』より作成(但し、造船・鉄工業を除く)。
表2−57 工場営業別工場数・生産額(職工5人以上)
年次
紡織工業
金属工業
機械器具工業
窯業
工場数
職工数
生産額
工場数
職工数
生産額
工場数
職工数
生産額
工場数
職工数
生産額

昭和1
2
3
4
5

9
11
8
7
9

426
495
231
235
243

1,999,911
2,023,622
1,420,352
1,851,863
1,930,078

22
25
27
21
26

183
401
215
217
318

1,721,941
1,863,632
1,463,612
3,711,205
2,927,507

50
59
53
50
53

1,460
1,387
1,445
1,443
1,428

3,111,700
3,389,360
2,826,670
4,983,256
4,631,880

3
3
3
3
3

61
58
90
70
76

173,300
195,660
203,200
267,160
241,835

年次
化学工業
製材及木製品工業
印刷及製本業
食料品工業
工場数
職工数
生産額
工場数
職工数
生産額
工場数
職工数
生産額
工場数
職工数
生産額

昭和1
2
3
4
5

12
9
10
14
12

325
371
288
340
296

2,401,038
2,325,425
2,314,572
2,981,318
2,763,489

38
50
48
43
42

301
367
361
427
404

2,712,998
2,783,736
2,553,892
4,060,246
3,848,276

15
17
18
20
22

301
278
375
316
322

702,386
736,910
796,132
2,012,234
921,863

69
58
55
50
58

868
798
802
803
711

2,845,625
2,843,662
2,727,567
3,863,560
3,653,204

年次
瓦斯及電気工業
その他の工業
全工業合計
工場数
職工数
生産額
工場数
職工数
生産額
工場数
職工数
生産額

昭和1
2
3
4
5

2
2
2
2
2

16
22
18
17
19

493,862
508,938
523,645
602,341
558,147

16
13
13
15
17

368
516
307
321
335

625,383
642,760
654,563
1,091,263
760,663

236
247
237
225
244

4,309
4,693
4,132
4,189
4,152

16,788,144
17,313,705
15,484,205
25,424,446
22,236,942
各年『函館市統計書』より作成。
表2−58 工場表
 
大正10
大正11
大正12
大正13
大正14
昭和1
昭和2
昭和3
昭和4
昭和5
造船業
工場数
10
13
13
12
11
13
14
15
20
21
職工徒弟数
866
909
829
825
812
871
810
866
 
 
動力
電気
蒸気
281
200
328
300
 
 
 
 
 
 
 
 
鉄工業
工場数
71
55
38
35
45
53
56
57
56
57
職工徒弟数
699
729
687
669
781
815
847
863
 
 
動力
電気
蒸気

77
270
41
 
 
 
 
 
 
 
 
製材業
工場数
31
34
15
13
14
14
14
14
14
15
職工徒弟数
165
159
138
128
127
139
158
181
 
 
動力
電気
蒸気
517.2
0
531
0
 
 
 
 
 
 
 
 
木工業
工場数
22
41
21
17
17
31
27
20
23
27
職工徒弟数
157
216
150
127
137
234
196
160
 
 
動力
電気
蒸気
104
0
272
0
 
 
 
 
 
 
 
 
食料品工業
工場数
164
198
80
77
84
96
72
61
63
66
職工徒弟数
1,012
908
875
842
1,036
1,171
822
724
 
 
動力
電気
蒸気
353.5
45.5
457
0
 
 
 
 
 
 
 
 
肥料
工場数
7
7
4
4
4
4
3
4
3
3
職工徒弟数
98
107
75
75
75
46
63
73
 
 
動力
電気
蒸気
57
125
122
0
 
 
 
 
 
 
 
 
製紙・印刷
工場数
20
25
22
21
21
25
23
21
23
23
職工徒弟数
265
329
317
312
318
341
292
302
 
 
動力
電気
蒸気
44.5
0
45
0
 
 
 
 
 
 
 
 
糸褸布帛工
工場数
33
57
10
10
15
18
22
21
20
21
職工徒弟数
421
511
396
396
474
622
555
596
 
 
動力
電気
蒸気
135
0
207
0
 
 
 
 
 
 
 
 
その他の工
工場数
25
25
12
12
12
22
24
23
22
28
職工徒弟数
234
347
239
239
288
602
600
460
 
 
動力
電気
蒸気
49
0
110
0
 
 
 
 
 
 
 
 
合計
工場数
383
197
455
234
215
201
223
276
255
13
236
244
261
職工徒弟数
3,917
4,215
3,706
3,613
4,048
14,841
4,343
4,225
 
 
動力
電気
蒸気
1,771.7
447.5
2,342.0
341.0
 
 
 
 
 
 
 
 
各年『函館商業会議所年報』および『函館商工会議所年報』より作成。動力は馬力数である。
注)1 上記の業種分類は昭和2年の年報から採用されている。それまでは工場表の個別工場をこの分類で整理した。
  2 「動力」は大正12年より、「職工徒弟数」は昭和4年より記載されていない。
  3 大正12年から工場数が減少するが、これは5人以下の工場を含まないからである。
    常時使用職工5人以上の工場につき調査計上している。
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