通説編第3巻 第5編 「大函館」その光と影


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第1章 露両漁業基地の幕開け
第2節 商工業の進展と海運・漁業の展開
1 発展する函館商業
3 函館商業会議所の設立

商工会から商業会議所へ

函館商業会議所の創立

商業会議所の定款

商業会議所の活動

函館商業会議所の創立   P87−P88

 かくして明治29年5月14日、函館商業会議所は臨時総会を開き、定款によって正副会頭の選挙を行なった結果、再び会頭に平出が、副会頭には小川が選ばれた(函館商業会議所『第一回事務報告』)。
 さて、創立時の函館商業会議所は、函館区富岡町6番地の町会所にその事務所を置き、役員には平出会頭、小川副会頭以下、常議員7名(和田惟一、遠藤吉平、田中正右衛門、辻快三、石館兵右衛門、伊藤一隆、相馬理三郎)が就任していた。また、会議所内には、庶務部、会計部、商業部、工業部、理財部、運輸部、水産部、陸産部の8部が置かれ、庶務部長は副会頭の兼務、会計部長は会頭の指名により和田惟一が任命され、商業部以下の6部に各議員が平均して5名宛所属した。因みに、商業部長は遠藤吉平、工業部長は石館平右衛門、理財部長は田中正右衛門、運輸部長は辻快三、水産部長は伊藤一隆、陸産部長は相馬理三郎が就任した。また、他に事務員6名がいて、会議所の活動を支えていたのである。
 明治29年上半季の会議所の活動を数字でみると、役員会3回(出席延人員23名)、同上問題24件、部会3回(同上26名)、同上問題2件、総会1回(同上18名)、同上問題5件、区内往復書状30通、諸官衙への答申報告類5回、となっている。この内、最後の諸官衙への答申とは、函館地方の回漕業の慣習に関する函館地方裁判所での証言、俵製荷造改良調査事項に関する農商務省への回答などである(同上書)。

平出喜三郎会頭
設立当時の役員(『函館商工会議所百年史』)

遠藤桔平商業部長、2代目会頭
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