通説編第2巻 第4編 箱館から近代都市函館へ |
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第13章 社会・文化諸相の光と影 女紅場開場 |
女紅場開場 P1420−P1420
この開場に先駆け4月19日「女紅場規則」(『布類』)が布達された。この規則によって女紅場の大要を追ってみると、まず女紅場は日用工業の習熟に主眼が置かれ、工芸を本科とし学業を余科とした。なお安井マサが就任後は余科の学業にも力を入れている。本科各科(裁縫、紡織、洗濯、学業)を3級に分け、課業時間は冬期間(10月〜翌年3月)は午前9時〜午後2時まで、夏期間(4月〜9月)は午前10時〜午後3時までで、成績(試験)は生徒の作品の出来具合で決定された。役員構成は、一切の責任者である総取締1名(戸長が兼任)、製品の売り捌きや依頼品の扱い担当の支配人2名、会計1名(三業取締兼任)および各教師(紡績、裁縫、洗濯、学業)となっており、彼らの給料や筆墨料をはじめそのほか一切の費用はすべて賦金で賄われ、残金は積み立てた。生徒の工芸からの益金は女紅場の収入とはせずに3等分し、3分の1は本人渡し、3分の1は機械などの購入費に充て、残りの3分の1は蓄積し生徒が正業につく時に各自へ渡すこととした。 女紅場開場後、「函館新聞」には次のような製品依頼募集の広告が何度か掲載された。 男女衣類其他裁縫洗濯物等御頼みなされ度き方は、当場へ相詰居候支配人へ御面談くださるべく候也 なお女紅場規則は地方税と賦金の関係などから13年に一部改正された。 |
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