通説編第1巻 第3編 古代・中世・近世


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第5章 箱館開港
第13節 教育・学芸・衛生
1 教育

諸術調所

箱館洋学所

外国人による語学教育

心学講釈所

当代の寺子屋

当代の寺子屋   P668−P669

 当代の寺子屋については、以前から継続しているものもあるが、文部省がかつて集録大成したという『日本教育史料』によると、学制頒布前に存在した箱館の寺子屋、手習師匠は次のようになっている。

名称 学科 所在地 創業 習字師氏名 身分
藤村堂   読書 鍛冶町 嘉永元 佐々木作右衛門   平民  
読書 末広町 嘉永三 森菊三郎 平民
若山堂 読書算術   茶屋町 安政四 若山保平
日新堂 読書 地蔵町   慶応元   久慈柳治
  読書算術 大黒町 慶応ニ 富原九一郎
  読書算術 船見町 明治二 十津川五仙 平民
  読書 地蔵町 明治ニ 杉山金左衛門
冠光堂 読者 若松町 明治三 野口貞翁

 このうち森菊三郎の寺子屋はすでに文化年間の末からあったらしく、また若山堂の若山保平は太蔵以来3代目といい、富原九一郎も2代目であるといわれる。
 この時代も寺子屋は読み方や手習い程度のものであり、特に教育の理念を明らかにした、いわゆる学風といったものは見られない。しかし当時、前述のごとく心学道話が盛んに行われ、奉行所もこれを奨励しているから、師匠によっては、あるいはそれらの思想を背景とした徳行教育が若干見られていたのではないかと思われる。
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